ドガシャアアアアアアンンンン!!!!!

 
立ってみればわかる。このステージ、狭い。
 
出演させてもらって失礼な話だが、今まで立ってきたソレの中で、ハックルベリーはダントツで狭かった。
 
アレ、確かUverって五人組とかじゃなかったっけ・・・ライブ、できたのか?
近ければ近い分、メンバーの呼吸を鮮明に感じる。
良い空気も、悪い空気も新鮮なまま漂ってくる。
淡々とリハは進み、業務的に終わった。さすがにまた知恵熱、なんてことは起きなくてほっとした。
 
僕らの片付けが終わり、次のバンドのリハ。またその次のバンドのリハ、と言ったように時間が僕らを通り抜けていく。
まるで僕らのことなんて意に介さないように、それはドライに進行されていく。
 
今日この日は、スペシャルなモノだと思ってた。
だけど違った。対バンや、ハックルベリーにとって、これは「日常」だ。
なんの変哲もない、ただの日常。
今日が僕らの初ライブだってことは彼らにとって「どうでもいい」のだ。
 
 
血沸く。
緊張していた自分を恥ずかしく思うより先にやることがある。
振り向かせてやる。驚かせてやる。目にものを見せてやる。刺してやる。
僕は自分に、c.u.dの初ライブの時と全く違う感情が宿っていることを認知する。
それが良いモノなのかは分からない。
だけど確実に変化している。そのことだけを喜んでいた。
 
その後、本番まで意識はワープする。
 
 
 
 
僕らのSEが流れる。ウルトラマンのテーマだ。(ウルトラつながりで安易に採用した。)
デケデンデンデンデン・・・・・パパパパパパパパンッ!
少しウケていた。鼓動は早くなる。二周目が始まるタイミングで、二階席から入場。このホールに「ステージ裏」は存在しない。客の合間をすりぬけていく。
 
はじまりはこうだ。二回目の「ウルーートーラー」が来たらカウントなしにAmを、ヤる。ひたすら派手に、煽るのだ。
チューニングを済ませ、リクの周りに集まる。拳を合わせて数秒後を待った。
 
「ウルーートーラー」僕らが音をだしたらSEを切ってください、とお願いしていた。
 
「ドガシャアアアアアアンンンン!!!!!!シャンシャンシャンシャンドゥドゥンドゥルドゥンダダダダダダドシャアアアアアンンンッ!!!!!!!」
笑ってしまった。ゴリラだ。ドラムが叩けるゴリラがいる。やりすぎではないか、リクよ。だがテンションはあがった。十分だ。
「theULTRALEAです。よろしくお願いします。」
それだけ言ってリクにアイコンタクト、僕だけが分かるような範囲で、彼がうなづいた気がした。
フォーカウントで、少年ナイフ。その後僕らは、走りきった。
カツキはやはり緊張していたし、リクのミスも目立った。僕も歌詞をトばしたし、ミズキは相変わらず自分のプレイに納得がいかなかったようだ。
でもとにかく、僕らの歴史が始まった。客は少ないし、特に称賛をもらったわけじゃない。
だけど確かに、theULTRALEAがはじまったのだった。
 
終演後、カマタさんが僕の元にやってきた。
「結構、力いれてるイベントあるんやけど、今度そっちでてみる?」
僕は心の中でガッツポーズをした。